年も明け年末年始休みも終わり、少しずつ日常が戻ってくるころでした。
我が家に一本の訃報が届きました。
この葬儀の仕事をし始めてから、有難いことに自分の家族や親族は変わらず元気に過ごしていました。
亡くなられたのは、以前からの知り合いの方で毎週のように顔を合わせ、ご家族とも交流することもあった方でした。
まだ60代でこれからという時。
持病もなく突然のことでした。
こんな仕事をしていますから、ふと「自分の身内が亡くなったときは平静を保っていられる自身がないな」と考えたことがあります。
葬儀に対する知識はあれど、大事な人との別れを受け止めて冷静に行動できるか疑問でした。
実際に突然のことに心臓を強く握りつぶされそうな苦しさを感じ、またなぜこんな事態になっているのか疑問がやみませんでした。
家族でその方のことを語りあった時には、その方の笑顔しか浮かばず、「皆に慕われる良い人が旅立ってしまった」ことの悲しさを改めて実感させられました。
家族が悲壮にくれる中でも、特に悲しみが深かったのは一番関わりの多かった父でした。
「こんなことならもっと沢山会っておけばよかった」と後悔を口にしていました。
普段父と娘である私のやり取りは多いとは言えませんが、父から「最後に顔を見たいけど家族葬と聞いているので参列は迷惑になるよね」と相談がありました。
家族葬といっても人数や参列する人たちの顔ぶれに決まりがあるわけではありません。
どなたまでお呼びするかはご家族の判断によるところです。
しかしながら、父の自分のこうしたいという想いと、ご家族にどう受け取られるかの不安が入り乱れていたようでした。
恐らく同じ様に悩まれた方も多いのではないでしょうか。
返事に迷いましたが、「葬儀に参列はしなくても最期に一目顔を合わせたいので伺ってもいいか聞いてみて」と伝えました。
有難いことに父はご家族の了承と周囲の計らいもあり葬儀にも参列させていただきました。
ご家族の想いが尊重されるべきという前提のもと、その他残された人々の想いも汲み取っていけたらと思わされる出来事でした。
大変悲しく、残された家族を思うと遣る瀬無い思いでいっぱいですが、これを一つ自分のこれからのお手伝いに生かしていけたらと思っています。
平安会館・文十鳳凰殿
河本
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