ブログへお立ち寄りくださる皆さま、いつもお世話になっております。一枚羽織が必需品となってきたこの季節、心と身体を大事にいたわってあげたいものですね。
さて、前回ご紹介させていただきました ‵大先輩のお話の続き′ よろしいでしょうか?
長男様の喪主ご挨拶文の続きから~
~そんな母でした。 今思えば、若い母の手はガサガサで、とても女性の手という感じがしませんでした。そんな母が、苦労をしながら私を学校へ行かせてくれたことにとても感謝しております。
学校で修学旅行へ行く案内が私のところへ来た時に、貧しい生活を強いられていた私は、子供ながらに、その案内を到底、母に見せることは出来なかったのです。 しかし母は何処で聞いてきたのか、「修学旅行のお金払ってきたから、楽しんで旨いものを食べて来い。土産はいらないからな。」そう言ってきたのです。
そのお金をどうやって用意したのかは、分かりません。 只、少なくても毎日のご飯をやっと食べられる程度の生活でしたから、きっと親戚にでも頭を下げて借りたのかもしれません。
お金のことは最後まで絶対に口にしませんでした。
私は母がこうして亡くなって、改めて母のことを想うと、きっと辛いこと、嫌なこと、悔し涙を流したことも、きっと様々な苦労があった事だと思います。 しかしその苦労を幼い私達には何一つ見せることはありませんでした。
母の苦労は私達への愛であり、私達は母から頂いた愛をまた子供に伝えて、そして孫にも伝わっていくことでしょう。」
ドラマ北の国からでも、言っていた。
残す財産はなくても、伝えるべきことはすべて伝えたと。 終
この、色と共に移ろいゆく季節。
身近な方、また周りの方々へ。いつもより少しだけ深く、丁寧に。
考え、想いを言葉で伝えてみませんか。
「誰かに伝えたい」そんな些細なことでも、ご相談承ります。
文十鳳凰殿 平安会館
担当 福井 萌子