コラム
終活を考える
おひとり様は必見!「孤独」を遠ざけるには?
監修/東京都健康長寿医療センター研究所
社会参加と地域保健研究チーム 研究副部長 村山洋史さん
「孤独」は心身ともに悪影響を与えることがわかっています。
人とつながりを保ちながら、お迎えが来るその日まで元気に生きる、
それも大事な終活といえます。
おひとり様が元気に過ごすには
65歳以上の独居高齢者は、2015年の時点で男性約192万人、女性約400万人(平成30年版高齢社会白書=内閣府)となっており、年々増加傾向にあります。高齢者2人世帯で配偶者に亡くなられると、自動的におひとり様になるからです。
残りの人生を元気に過ごすためには、禁煙や生活習慣病の予防も大切ですが、それよりも社会的つながりを持つことが有効だと疫学調査によって明らかにされています。
つながりを持つことが体にいい!
下のグラフを見ると明らかです。毎日外出する人とそれ以外の人を比べたとき、2年後に大きな差が出てきます。歩いたりバスに乗ったりという移動能力を見ると、毎日外出する人を1としたら、週1回程度以下しか外出しない人は、低下するリスクが4倍もアップします。
同じように、10年後に要介護や認知症になるリスクも上がることがわかっていますから、積極的に人と交流を持つことが勧められます。
さまざまな活動に参加しよう!
だれとも交流せずに引きこもっていると、心身ともに衰えるスピードが加速してしまいます。それはおひとり様でなくても同様です。
下の3つのチェックポイントを確かめてみてください。1つもチェックがつかなかった人は、第一歩を踏み出しませんか? 興味のあること、好きなことから始め、楽しさややりがいにつながっていくといいですね。
3つのチェックポイント
□1日1回以上の外出
コンビニや散歩、なんでも構わないのでとにかく外に出ることを心がけましょう。
□週1回以上の交流
友人と会ったり、ランチを楽しんだりすること。直接会うことが理想ですが、電話で話す、リモート飲み会などもOK。
□週1回以上の活動に参加
町内会や趣味のグループ、ボランティア活動など、楽しさ・やりがいのある活動に月1回は参加したいものです。
- 学ぶ…歴史や外国語、パソコン、文芸、アートなど。
- 働く…前職の継続やスキルを活かした仕事、アルバイトなど。
- 地域貢献…見守りパトロールや清掃、子ども食堂など。
- 趣味…絵画サークルやスポーツ、山歩き、料理教室など。
- 集う…特別な活動でなくても、気のおけない友人知人とのおしゃべりだけでもOK。
イラスト◎寺崎 愛